銀杏並木のセレナーデ

少し前の話だけど、ボブディランがノーベル文学賞を受賞した。僕はボブディランのことをほとんど知らない。

Like a rolling stoneという曲が好きというだけだ。他の曲も何曲かは知っているけど、その程度だ。Like a rolling stoneは「アイデン&ティティ」という映画の主題歌だった。

 

いつ観たんだっけかな、思い出せやしないけど親父の部屋で観たことだけは覚えている。なぜなら親父の部屋にしかDVDプレーヤーが無かったからだ。ツタヤで借りて、親父が仕事に行っている間に見たんだ。高校2年か3年くらいだと思う。

だから多分10年くらい前のことなんだ。その頃はまさに音楽に熱中していた頃で、音楽に関する映画も観ていた。さらば青春の光、とかLost in Translationとか、その系譜に「アイデン&ティティ」もあった。

 

峯田和伸と麻生久美子の二人の映画だ。映画自体はすごく面白いというわけではなかったんだけど、なんだかアパートの風景が頭にずっと残った。その映画にはボブディランが出てくるのだ(もちろんキャラクターとして)。

やるべきことをやるだけさ だからうまくいくんだよ」と言う言葉が残った。

僕もやるべきことをやろう、と思って受験勉強に励めたような、励めなかったような、あの受験勉強ってやつは一体なんだったんだろう全く。

 

そして、男女が歩いている姿とアパートの景色が頭に残る映画ってのは、僕の中の良い青春映画の定義だ。中央線とアパートと夢と彼女とどうしようもなさ、は高校生の頃の僕の憧れだった。時間さえ経てば、いずれそこにどっぷり浸れるなんて思っていた。最近と言っても二年くらいまえだけど、「故郷の詩」という映画はその点が素晴らしかった。

 

中3から高校1年の僕には銀杏BOYZの音楽が好きだった。

あまりにも、あまりにもな所があって、好きとは言いたくなかったんだけど、峯田和伸の歌と言葉があまりにも響きまくっていた時期があった。多分中3のときだ。

劣等感と自己嫌悪にまみれた日々をより深く追い込む音楽だったのかも知れないけど、救われていた。僕は誰かを大好きって言いたかった。好きな人のために死にたかった。こんな僕を誰か見つけておくれよ、僕は君が大好きなんだ、って好きな人もいないのに思っていた。

たまにスペシャとかでオンエアされるライブの光景が本当に壮絶で綺麗で、汚かった。

結局僕は銀杏のライブに一度も行ってないな。銀杏を好きっていうと、「銀杏を好き」というキャラがつくくらい強烈だったから少し距離を置いていたんだよ。でも、ロッキンオンジャパンのインタビューとかしっかり読んでたよ。

 

ふと思ったけど、銀杏BOYZは好きな音楽のワンオブゼムではなく、銀杏BOYZを聴く事で、僕はより一層音楽に救いを求める人になったのかも知れない。良い、悪いとかじゃなくて、僕はそういう青春時代を選んだ。

 

今、完全に思い出した。銀杏BOYZのアルバムが出た日、僕は津田沼のDisk Unionにいたんだ。何だか話題になっているけど、どんなバンドかは知らなかった。その頃はYoutubeなんてなかった。二枚同時発売で、僕は「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」を視聴した。

なんだか五月蝿い歌だな、二曲目「Skool Kill」にやられた。この歌ほどではないが、後ろめたいながらに抱える願望をすくいとって大声で叫んでくれた。救いだった。くそな自分を許してくれる音楽だった。その場で買って、次の日には友達に薦めていた。

 

その頃の峯田くんと今の俺は同じくらいの年だと気づいた。銀杏BOYZってすごくかっこよかったってことが良く分かるよ、全く、僕は何をやっているんだか。

当時、朝焼けニャンニャンというブログを彼はやっていて、そこで今の俺と同い年の峯田くんがこんなことを言っている。

『じっさい温かい家族空間を作るとゆーのはなかなか難しいことなんじゃないのかなーと思う。(なにを言ってんだか。) 今の僕にはとてもじゃないが家庭はもてない。一家の主になどなれるわけがない。』

僕もまったくもってそんな感じなのだから嫌になっちゃうよね。友達が結婚していくと自分も出来るくらい大人なのかな、とか思うけど、そんなことはないはずだっていつも思う。

 

ばらばらとした文章だ。

でさ、とにかくボブディランが受賞してからなんとなく峯田くんのことを考えていたんだ。

そしたら今年、峯田くんと麻生久美子のドラマがやっていたことを思い出した。

奇跡の人、という話だ。

鉄板ペアだな、とかいいながら見ていなかったんだけれど、昨日第一話を見たら、すごく良かった。キャラクターが良い。僕が好きだった頃の峯田のまんまって感じだった。

これから毎晩一話ずつ見ていくことにしようと思う。

 

 

来週はマレーシアに出張に行く。デリーにも少し飽きちゃったからいいかな。みんなの前でアピールできるようしっかり準備しよう。